受験生に贈る ココロの習慣、コトバの習慣(11)
from:竹田慶
「受験生に贈る ココロの習慣、コトバの習慣」
をお届けしています。
『最後までやり遂げる人は…part2』
●最後までやり遂げる人は、あきらめない心を持っている。
そして、「できないこと」ではなく、「できること」に意識を向ける。
中学3年の夏に、他の塾から移ってきたSさん。
行きたい志望校はあるけれど、成績は全く届いておらず、
1・2年生の基本から学び直さなければならない状態だった。
あきらめようと思えば、簡単にできた。
成績は届いていない。やらなければならない量も多い。
頑張っても間に合うのかどうか…。
その上、
12月の学校の三者面談では、「今の志望校は無理」と担任に言われ、
心配する親には志望校を下げた方が良いのではないかと促された。
第一志望ではない学校を見学させられた時は、涙したという。
しかし、Sさんは、「できないこと」ではなく、「できること」に意識を向けた。
今できること、やるべきことに集中した。
冬休み前から毎日塾に来て、授業と自習に取り組んだ。
入試が終わるまで1日も休まず塾に通い続けた。
雨の日も、風の日も、授業がない日も、
学校から帰るとすぐに塾に向かい、教室が閉まる時間まで勉強を続けた。
集中が切れたら、休み時間に友達とおしゃべりをしてリセットしたり、
疲れたらアラームをセットして仮眠をとったり、
わからないことは質問したり、
自分の集中力や体力、精神力と折り合いをつけながら、
とにかく、できることをやり続けた。
周りから見ると、意志が固く、気持ちの強い子に見えるかもしれない。
しかしそんなSさんも、
「最後まで、自信は持てなかった」
という。
「自信を持たせようとして、何度も自分に言い聞かせたの。“大丈夫だよ”って」
「大丈夫」の根拠なんてほとんどない。
「合格できなかったらどうしよう」という不安も頭をよぎる。
それでも、いや、だからこそ、
「できる理由」「やる理由」を大切に、目の前のことに集中した。
結果、第一志望に合格した。
その上、受験の勢いそのままに、進学先でも上位の成績をおさめている。
—
最後に、村上春樹さんの言葉を贈ります。
もし忙しいからというだけで走るのをやめたら、間違いなく一生走れなくなってしまう。
走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。
僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。
(『走ることについて語るときに僕の語ること』より)
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