なぜ解き直しをしないと学習効果が激減するのか?
from:竹田慶
「10」の学習をして「10」を身につける人もいれば、「1」しか身につけられない人がいます。その差を生み出す要因とは何でしょう?
その大きな要因の一つに、どれだけ徹底して「解き直し」をするかがあります。
分かったつもりが一番怖い
Aさんは以前、非常にもったいないやり方で勉強していました。
授業は集中して取り組み、ほぼ100%理解していました。宿題も毎日取り組み、一通りこなしていました。
しかし、間違えた問題は、解説を読んで正しい答えを赤ペンで記入するだけで終わり、解き直しをしていませんでした。
解説を読んで「わかったつもり」でいたのです。その結果、Aさんは何度も同じ問題でつまずき、正答率も下がってきました。
解き直しをしただけで定着度が7倍に!
そこでAさんは、解き直しを徹底するようになりました。
するとどうでしょう。解き直しをしただけで、勉強した3週間後の定着度が7倍になりました!
それだけではありません。
理解が定着したため、同じ間違いをしなくて済むようになりました。
復習すべき量が減り、解くスピードも上がったため、学習時間も短縮できました。
「わかったつもり」で終わらせず、「できるまで」解き直すことで学力が上がり、同じことを何度も復習し直さなくて済むようになるのですね。
ちなみに、「時間がないので解き直しをしている暇がない…」と言う人がいますが、それは逆です。
時間がない人ほど、解き直しをしっかりやることで、時間を短縮した方がよいでしょう。
「急がば回れ」の精神で、解き直しをすると少しの時間で大きな成果がでますよ♪
解き直しのコツ
解き直しをする時のちょっとしたコツをいくつか紹介します。
1)理解するために書く
解説を読み、理解を深めるためにノートに書きます。問題や解説に描かれている図や表も必ず描いてみます。
「真似ぶ」ことは「学ぶ」ことと言います。
この時は解説を見ながらでよいので、真似をして理解しましょう。
2)解説を隠してできるまでやる
理解したら、解説を隠して解き直しをします。解説は完全に隠します。チラ見できる状態でやるのもいけません。
完全に隠して、もう一度考え方や流れを思い出しながら自力でできるまで解き直します。
3)その場で解き直す
答え合わせは大問ごとにやり、間違えたらその場で解き直しましょう。
「最後にまとめてやる」人がいますが、これはかなりもったいない学習法です。
前の問題を自力で解いていなければ、次の問題で苦戦するのは目に見えています。
逆に、その場で解き直しをすると、次の問題を自力で解けることがよくあります。達成感を味わいながら進めますね。
4)説明できるようにする
「答えを覚えているから解き直しをしても意味がない」という人がいます。しかし大切なのは、答えが合っているかどうかではありません。なぜそうなのか、説明できることが大切です。
「答えがあっているからOK」ではなく、「この問題の解き方も答えもあっているけれど、なぜこうやるのだろう?」という疑問を大切に、説明できるようにしましょう。
5)スラスラ解けるまでやる
解き直しはどこまでやればいいのでしょうか?それは、問題を見て考え方や解き方がすぐに頭に浮かび、スラスラ解けるまでです。
「じっくり時間をかければ解ける」状態では、時間制限のあるテストでは通用しませんね。また、スラスラ解ければミスも少なくなります。1か月後でもスラスラ解けるようになるまで、解き直しをしましょう。
一生使える「学ぶチカラ」
「わかったつもり」で終わらせず、「できるまで」やる。
この解き直しの姿勢は、勉強だけでなく、スポーツや芸術、仕事にも共通する「成功の鍵」であり、一生使える「学ぶチカラ」です。
早い段階で身につけることで、学力アップだけでなく、時間と気持ちの余裕、そして人生の成功も手に入れましょう!