夢中と集中
from:竹田慶
ある保護者からこんな話を聞きました。
「うちの子、僕は集中力がないんだ、って言うんです。でも、ゲームには集中するんですよ。だからこう言ってやったのです。ゲームにはそれだけ集中できるのだから、集中力はあるんじゃないの?って」
「全くその通りですよね。ゲームに集中できるなら、集中力はありますよね」
「ところが、すごい答えが返ってきたのです」
「え、どんな答えが返ってきたのですか?」
「“ゲームは集中しているんじゃない。面白いから夢中なんだ”って。“勉強はつまらないから集中しないといけない。けれど集中力がないからできない”って」
これは、なかなかどうして、興味深い返答です。一理あります。
●面白いから夢中になれる。
確かにそうです。これも一つの集中力と言えるでしょう。
何かに夢中になれる力は、一般的に、大人より子どもの方が持っています。
これは、興味・関心・好奇心の強さと関連があるようです。
ですから、まだ幼い小学生や、勉強嫌いな中学生には、「なんで?」の疑問を大切に、「わかる」「できる」「面白い」「楽しい」を体験できるようにすることが大切です。
とは言え、「面白いから夢中になれる」だけでは、人生のコントロールを失う危険性があります。
「面白い」状況に反応しているだけでは、受け身の人生になってしまうからです。
●集中したい時に集中できる
そこで大切なのは「集中したい時に集中できる」ことです。これは、主体的な集中力です。
それができれば、勉強も仕事もはかどりますよね。嫌いな教科の勉強でもさっさと終わらせ、成果を出すことができます。人生のハンドルを握ることができるようになります。
成果を出している子は、勉強や受験を通して「集中したい時に集中できる」コツを身につけています。
ただ漠然と勉強するのではなく、「どうすればもっと集中できるのか?」「どうずれば集中が持続できるのか?」「どうすれば集中力を回復できるのか?」等を考えながら取り組んでいます。
そうすることで「集中したい時に集中できる」コツを身につけ、成果を上げているのです。
●2種類の集中力
興味深いのは、ひとえに「集中力」と言っても、「持って生まれた力」と、「後から身につけられる力」があることです。
上述の子は「集中力がない」と言っていますが、正確には「集中力がない」のではなく、「持っている集中力を上手く活用できていない」ようです。
持っている集中力を活用するには、「後から身につけられる力」が重要です。
例えば、
- 環境を整える力:
- スマホやゲーム、マンガを近くに置いていたら集中力は落ちてしまいますよね。
- 目標設定力:
- 目指すものが明確になれば、集中できます。
- 決断力:
- やることと、やらないことを決めることで集中力が高まります。
- 習慣力:
- 習慣にしてしまえば、無駄な力を使わずに済みます。
- 意志力:
- 「意志ある所に道はある」です。
- エネルギー:
- 栄養と休養も大切です。
- 安心感:
- 不安や恐怖は、精神力を消耗します。
- ・・・、などなど。
最後の二つは、力とは言えないかもしれませんが、後から身につけられるものですね。
そして、保護者の関わり方によって、変えられるものです。
これらの力は、勉強や受験を通して身につけることができます。
そして、一度身につけてしまえば、一生使えます。
是非、中高生の間に身につけておきたいですね。
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